主要統計
◎Report
九州における異業種参入の実態
◎ワンポイント解説
活発に動き始めた九州の土地取引
企業はビジネスチャンスを求めて、常に新しい領域をうかがっている。本稿では、注目度の高い農業参入の事例分析と、九州における2010~12年7月までの異業種参入事例をもとに、農業以外でも企業が着目する異業種参入の状況を分析した。
|
-
農業への参入は、公共工事の縮小を背景に建設業で活発化している。建設業からは、農地を持たず飼料イネの収穫・販売に特化する下村建設(株)をとりあげた。
-
半導体シリコン加工業から、サツマイモ茎葉のポリフェノール抽出事業に参入した晨星興産(株)や、ニラ・甘夏・甘藷栽培や鶏卵事業など、積極参入するJR九州グループなど、参入業種は幅広い。
-
初期投資が少なく、ノウハウの獲得も容易なサービス業への参入では、カーシェアリング事業が特徴的。「TSUTAYA」の来店客に車両をシェアするニューコ・ワン(株)や、卸売団地内で車両をシェアし、団地入居企業のコスト削減に貢献する協同組合長崎卸センターなど。
|
 |
【One point】活発に動きはじめた九州の土地取引
|
法務省「法務統計月報」の「売買による土地所有権移転個数」によると、九州7県の土地取引は震災の影響で低迷していたが、現在、回復傾向にある。ただ、県別にみると震災後の状況には濃淡が明確にみられる。
|
-
九州の土地取引は、1~3月期で前年比0.9%プラス。堅調な住宅投資で全国より水準が高い。
-
福岡県は震災の影響を受けながらも早期に回復。鹿児島県は他県に比べて好調。一方、佐賀県や大分県では震災前から低迷が続く。
|