はじめての九州経済

九州の位置図

九州経済の位置

1.日本のなかの九州:わが国の「1割経済」
 九州は日本列島の南西部に位置し、九州島と周辺の島々および琉球諸島からなり、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の8県で構成される。沖縄は九州島から離れていることもあり、九州に含めない場合もあるが、本書では沖縄を含めて九州とする。九州は、本州と関門海峡で隔てられた独立した島々で構成されているため、域内の相互依存関係が強い。また、他の地方ブロックに比べて東京経済圏からの自立度が高く、九州に山口県の一部を加えて九州・山口経済圏を形成している。

 九州の総面積は4万4,512k㎡で全国の11.8%(2022年)、総人口は1,417万人で全国の11.3%を占めている(2021年)。域内総生産(GDP)は53.0兆円(2019年度)で全国の9.1%を占め、電力需要量、小売業年間販売額、建築着工額などの主要経済指標も全国の1割程度である。このため、九州はわが国の「1割経済」と概括される。

 地方ブロック別にみると、人口やGDPは関東、近畿、東海の3大都市圏に次ぐ規模で、地方圏では最も規模が大きい。2019年度の九州のGDPをドル換算すると4,871億USドルで、スウェーデンやナイジェリアと同等の経済規模を有している。

 

2.アジアのなかの九州:東アジアへのゲートウェイ
 九州は首都・東京から約1,000km離れている一方で、韓国の釜山まで約200km、ソウルまで約500km、中国の上海まで約1,000kmと、日本のなかでは東アジアの主要都市と近い距離にある。また、九州・山口の港湾にはアジアを中心に多くの外貿コンテナ定期船が就航するなど、アジアとの交易・交流環境が充実している。

 地理的な近接性もあり、九州はアジアとの経済的なつながりが強い地域である。例えば、2012~2021年の九州・山口企業の海外進出件数490件のうち、369件(75.3%)はアジアが占めており、2021年の九州・山口の輸出総額に占めるアジアの比率は68.3%で、全国より10.3ポイント高い。博多港と北九州港は、日本とアジアの物流結節点として、多くの国際コンテナが取り扱われている。また、2020年以降は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大(以下、「コロナ禍」)により大幅に減少したものの、コロナ禍前の2019年のクルーズ船の寄港回数は772回で、九州が全国の26.9%を占める。九州は成長著しい東アジアと日本を結ぶゲートウェイとして機能している。

『図説九州経済2023』「九州経済サマリー」より(最新版の詳細はこちら)
 

タイトル、掲載書籍、著者、出版社、出版年 所蔵場所、データ
「人口」
        『図説九州経済 2023』、九州経済調査協会、2022年11月
「主要産業」
        『図説九州経済 2023』、九州経済調査協会、2022年11月
「製造業」
        『図説九州経済 2023』、九州経済調査協会、2022年11月
「観光・レジャー」
        『図説九州経済 2023』、九州経済調査協会、2022年11月
「国際化」
        『図説九州経済 2023』、九州経済調査協会、2022年11月
『九州・山口企業の海外進出2020』
        九州経済調査協会、2021年6月
『経済波及効果入門 ―その活用と具体的事例について―』
        第25回イブニングセミナー、九州経済調査協会、2012年4月

 

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