2011年4月号

2011年4月号

A4版・56頁

非売品

2011年4月号

特集 コールセンター・通信販売
◎論文・レポート
  沖縄県へのコールセンター集積と新たな展開
  九州におけるネットスーパーの事業性
◎ワンポイント解説
  “域外から稼ぐ”通信販売業
 

内容

1.沖縄県へのコールセンター集積と新たな展開

 沖縄県内に立地するコールセンターは、2004年の38拠点から2010年には69拠点にまで増加した。沖縄県は誘致対象企業に対して人件費の安さや、 企業の事業費を直接削減する支援策を提示するだけでなく、制度的に厚みをもった立地環境や誘致に積極的な「地元の雰囲気」を企業に対して提示していること が集積に起因している。
最近では、国境を越えた動きもみられている。2010年にインドの大手ICT企業が日本初の拠点として、沖縄県にコールセンターを設立した。沖縄 県が選択された理由は3つある。1つめは、日本国内における沖縄の「人件費の安さ」である。2つめは、トレーニングされた「人材の豊富さ」である。県内に はオペレータ経験者だけでなく、スーパーバイザーやマネージャー層も多い。3つめは、「アジアへの近接性」である。特に、「人材の豊富さ」という点で10 年という年数をかけ形成されてきた沖縄のコールセンター集積を企業は評価しているようである。

2.九州におけるネットスーパーの事業性

 九州では、現在、大手・中小スーパーを含め15社がネットスーパーを展開している。ネットスーパーが拡大している背景には、高齢化や共働き世帯の増加と いった社会情勢がある。同時に、身近な買い物先としての小規模店舗の減少が買い物弱者を生んでいる。その結果、潜在的な買い物弱者は福岡県だけで37万人 に上っている。今後、九州においては高齢化が進むことから、在宅で買い物できるネットスーパーへの社会的要請は強まるであろう。その要請に応えるために は、実店舗との連動や、異業種との連携により収益性を維持・向上させる必要がある。

3.ワンポイント解説:“域外から稼ぐ”通信販売業

 九州における通販・カタログ販売は2007年には4,517億円となり、2002年の2,825億円から59.9%プラスと大幅な増加を記録している。 年間商品販売額でみると、機械器具小売業と酒小売業が九州の通信販売業を牽引している。九州から通信販売形態で販売される商品販売額と家計の通信販売によ る支出額との差は約2,600億円となり、販売額が支出額を大きく上回っており、購買力の流出より吸収している額が大きいことがわかった。今後は単なる販 売手法の1つではなく、“通信販売業”として九州地域活性化を牽引する“産業”として評価し、重点産業と位置づける必要もあろう。

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