2011年2月号

2011年2月号

A4版・60頁

非売品

2011年2月号

◎ 特集 集客装置としてのスポーツイベント
  福岡ソフトバンクホークス戦来場者の観戦前後の立ち寄り先と消費行動
  DATAでみるマラソンイベントと地域経済
◎九州の景気
   再び緩やかな回復軌道へ
◎ワンポイント解説 
  九州の人口移動~転出超過幅は縮小傾向
 

内容

1.福岡ソフトバンクホークス戦来場者の観戦前後の立ち寄り先と消費行動

 集客施設の郊外化やICTの発達・普及により都心の集客機能が低下しているなか、プロスポーツイベントの高い集客力は注目するに値する。実際、福岡ソフ トバンクホークス戦には約220万人の人が訪れた。この来場者の約半数(推計124万人)がヤフードーム以外のレジャー施設や飲食店に立ち寄って、1人当 り平均6,182円を消費している。いかにプロスポーツイベントの来場者が、都市の消費へ貢献しているか、推し量ることができよう。なお、ドーム外での支 出額の大小は、居住地別には遠方からの来場者ほど大きくなる。グループ別では観戦後に飲酒を伴うことが多い「仕事仲間」が大きくなるほか、「カップル」で の来場者も他のグループと比べショッピングに立ち寄る割合が高くなることから、消費単価が大きくなる傾向にある。

2.DATAでみるマラソンイベントと地域経済

 九州・山口のマラソン・ジョギング人口は2005年から増加傾向にあり、2009年時点で約360万人(全国シェア12.8%)に達している。また、マ ラソン・ジョギングの行動者率も全国トップレベルで、ランニングが全国的にも盛んな地域だと言える。一方、九州は、ジョギング・マラソン人口に対し、マラ ソンイベントの参加者数が少ない地域であるが、それはすなわち新規のマラソンイベントが成立しえる市場性を備えていると解釈することもできる。現在、各地 で開催されているマラソンイベントの経済効果は、参加者の増加によって大会運営費の大半を賄うことができるコストパフォーマンスの高いイベントだと評価さ れている。さらに九州ではマラソンシーズンが観光宿泊施設のオフシーズンと重なるため、数字以上の経済的な効果を期待することができるなど、地域活性化イ ベントとしての期待は大きい。

3.九州の景気 再び緩やかな回復軌道へ

 2010年10~12月期における九州地域景気総合指数(CI)の一致指数は93.3と前期を3.4%上回り、再び増勢が強まっている。夏頃から生産調 整が続いていた半導体関連に12月から持ち直しの動きがみられるほか、自動車関連も、輸出比率の高い九州はエコカー購入補助金終了の影響が比較的小さいの に加え、他地域からの生産移管も進められているため、生産台数は、減少が続く全国を尻目に、前年比プラスが続いている。投資活動も民間企業設備投資が製造 業を中心に持ち直しており、住宅投資も政策効果で持家中心に回復している。また、緩やかながらも雇用環境が改善していることで、消費マインドを下支えされ ており、政策効果の反動減による消費の下振れは想定したよりも小さく、二番底懸念はさらに遠のいた感がある。

4.ワンポイント解説 九州の人口移動~転出超過幅は縮小傾向

 2010年の九州の転出超過数は前年より約6,300人少ない約1.3万人となり、戦後最長の景気回復・拡大期前(2000年代前半)の水準に戻りつつ ある。転出先の地域別構成を2000年代前半と後半で比較すると、2000年代後半は愛知県への転出の割合が大幅に低下していることから、転出超過数の減 少は景気悪化により自動車関連企業の吸引力が弱まっていることが1つの要因として考えられる。

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