2010年4月号
A4版・60頁
2010年4月号
◎論文・レポート
デジタルコンテンツを活用した産業の高付加価値化の現状と課題
『アジア経済講演会』講演録 ユドヨノ政権2期目のインドネシア
◎シリーズ 創造・地域資源/農商工連携
特産ジネンジョを活用した食品開発
◎ワンポイント解説
ショッピングセンター売上高、全国に先駆けて減少幅が縮小
内容
デジタルコンテンツを活用した産業の高付加価値化の現状と課題
企業が提供する製品やサービスの高付加価値化において、デジタルコンテンツが果たす役割は大きい。本稿では、デジタルコンテンツの動向を踏まえながら、 九州企業におけるデジタルコンテンツ活用の現状把握とその振興に向けた検討を行った。九州のユーザー企業に対するアンケート結果によると、ユーザー側で は、映像への注目度が高く、約3割が利用拡大を予定している。また、今後の利用拡大には費用対効果がカギとなるとしている。九州のコンテンツ企業の課題と しては、孫請け構造による利益率の低さや、業務対応力の低さなどがある。今後は、九州企業における活用拡大のため、ユーザー企業が有用性の認識を深めるこ とはもちろん、コンテンツ企業のレベル向上とユーザー企業からの直接取引の機会創出を図るとともに、行政による支援も重要である。
『アジア経済講演会』講演録 ユドヨノ政権2期目のインドネシア
インドネシアは2007年に10年振りに経済成長率6%台を達成し、世界的金融危機のなかで09年も4.5%の経済成長率を達成した。人口2.3億人で 世界第4位のインドネシアは、その豊富な資源に加え、政治的にも安定してきたことで新興経済大国、新興民主主義国として国際的に注目を集めている。ユドヨ ノ大統領の政治面、経済面での評価は高く、2009年の大統領選挙では圧勝で再選を果たした。第2期ユドヨノ政権では、GDP成長率平均6.5%を目標と し、優先的に取り組む経済政策として、インフラ整備の推進、食料自給率の向上、エネルギー開発、地方分権化の4つを掲げている。今後のインドネシア経済の 発展を考えると、政治の安定が最大のポイントになる。同国では民主主義が十分浸透し、社会ではイスラム化が進行しているものの、政治面ではイスラムは中道 化している。同国では大統領の権限が弱く、それゆえ政策がなかなか進まないことが課題である。インドネシア経済は5~6%の成長を続ける潜在力はあるが、 製造業の低成長率の克服や、貧困率と失業率の改善が課題となっている。
ワンポイント解説 ショッピングセンター売上高、全国に先駆けて減少幅が縮小
2010年2月における九州・沖縄のショッピングセンター(SC)売上高は前年比0.7%減となり、依然としてマイナスが続いているが、2009年半ば より着実に回復している。立地別にみると中心地域SCは、全国、九州とも前年比マイナスが続いているものの、郊外地域については九州の減少幅は全国より小 さく、九州は2010年2月にプラスに転じるまでに回復している。売上高をテナント別にみると、食品スーパーやGMSなどの「キーテナント」は依然不振が 続いているが、キーテナント以外の「テナント」が売上を伸ばしている。九州では、専門店チェーンの売上の伸びが全国に比べ高い傾向にあり、こうした業態が 近年の九州のSC売上高の回復を支えている。