2010年3月号

2010年3月号

A4版・64頁

非売品

2010年3月号

◎九州新幹線全線開業1年前特集
  Vol.1 九州新幹線全線開業による企業活動への影響
  Vol.2 沿線都市における商業施設開発と全線開業の影響
  Vol.3 観光・集客における九州新幹線全線開業の効果と期待
◎ワンポイント解説  九州の人口移動~5年ぶりに減少した転出超過数
 

内容

九州新幹線全線開業による企業活動への影響

 新幹線の全線開業による効果は、企業から積極的に評価されている。6割の企業がプラスの評価をしており、部分開業前の結果と比べ18%ポイント程度高 く、期待感は大きい。効果の内容としては営業範囲の拡大が最も意識されている。このような企業の営業活動による利用をはじめ、観光や通勤通学に大きな影響 を及ぼす結果として、九州新幹線の全線開業により、九州内、九州と九州域外の交通体系は大きく変化するであろう。具体的には航空機からJRへのシフトが大 幅に進むものと思われる。

沿線都市における商業施設開発と全線開業の影響

 博多駅ビルの再開発に代表されるとおり、新幹線全線開業に併せて商業開発が活発化するものと思われる。福岡市においては、博多駅地区のみならず天神地区 においても商業開発案件が散見され、福岡市都心は、より集客力を高めるとみられる。しかし、熊本・鹿児島からの顧客流出は限定的との見方が強い。既に現在 でも1,000円高速などを利用して自動車で福岡に買物へ出かける人の方が多く、新幹線による時間短縮効果で購買力の流出が大幅に拡大するとは考えにく い。むしろ、熊本、鹿児島においては関西方面からの観光需要等でプラスの面が多いと評価する声が大きいようである。

観光・集客における九州新幹線全線開業の効果と期待

 宿泊・観光施設に対するアンケートによれば、新幹線沿線地域においては全線開業をプラスとみる回答が81.3%に達した。また注目すべきは非沿線地域に おいても4分の1の施設でプラスと評価しており、沿線地域のみならず九州全体にプラスの効果をもたらすものとして新幹線に期待する状況が伺える。具体的に は遠方からの集客や観光ルートの広域化などの効果を期待するものが多いが、「接続交通網が整備される」という2次アクセス整備を期待する声も大きい。実際 に熊本県では熊本駅を訪れる観光客の2次アクセスの充実を重要課題の1つとし、路線バスを含む県内バス網を旅行商品に組み込む九州初の旅行商品造成システ ムを官民で開発している。

ワンポイント解説 九州の人口移動~5年ぶりに減少した転出超過数

 2009年における九州からの人口移動の状況をみると、転入超過数はマイナス1万9,109人となった。依然、大幅な転出超過状態にあるものの、5年振 りに転出超過数が減少に転じている。地域別にみると、三大都市圏に対し、いずれも転入超過数は減少した。九州・山口各県においては、熊本、大分両県で提出 数が増加しており、他県と異なる傾向を示している。これは、この両県において大規模工場の雇用調整や閉鎖等が実施されたためだと考えられる。

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