2009年12月号
A4版・70頁
2009年12月号
◎論文・レポート
九州の太陽電池関連産業の実態と展望~ソーラーアイランド九州の形成に向けて~
九州の半導体産業におけるパワーデバイスの可能性
九州・山口における半導体実装関連企業の現状と課題
◎シリーズ 創造・地域資源農商工連携
玄米黒酢を使った清涼飲料
◎ワンポイント解説
2009年における九州の自動車関連部品工場の立地件数
内容
集積進む九州の太陽電池関連産業
太陽電池関連産業は、太陽光発電パネルを核に周辺産業の裾野が広いこと、利用対象が事業所から一般家庭までと幅広いこと等から、次世代の基幹産業として 期待が集まっている。九州では次世代の薄膜系太陽電池メーカーの立地が進んでおり、既存の産業・企業とのリンケージによる太陽電池関連産業の集積が進みつ つある。この動きを加速させ「ソーラーアイランド九州」の形成を図るには、技術のフィードバックに寄与する地元需要の創造、新規立地や参入などを促進する マグネット機能の形成、新しい事業構想力の強化などの取組が求められる。
世界の6%を占める九州のパワーデバイス生産額
低炭素社会の実現、とりわけ省エネを実現するための重要な半導体として、パワーデバイスが脚光を浴びている。2008年における世界のパワーデバイス市 場の規模は、フラッシュメモリとほぼ同じ1.7兆円程度であり、約10年間で約3倍に拡大した。九州では世界第5位の三菱電機がパワーデバイスの製造拠点 を構えており、生産額ベースでは世界市場の約6%を占めている。今後、パワーデバイスを代表とするエコや省エネをキーワードにした半導体の製造拠点になる ことが、九州の半導体産業が進むべき1つの方向性として考えられる。
事業環境の好転を予想する九州・山口の半導体実装関連企業
九州・山口地域で事業展開する半導体実装関連企業の事業所に対し当会が行ったアンケート調査によると、回答企業・事業所の約6割で売上高、営業利益が3 年前よりも減少している。しかし、今後の見通し(3年後)では、5割近くの企業が売上高、営業利益ともに増加すると回答しており、事業環境の悪化は底を打 ち、今後は好転するとの見方が強い。また、今後を見据えて取り組む技術としては、太陽電池装置関連技術が最も多く、半導体やFPD(フラットパネルディス プレイ)と技術的親和性の高い太陽電池関連事業への参入意欲が高い。