2009年6月号

2009年6月号

A4版・62頁

非売品

2009年6月号

◎論文・レポート
  パネルディスカッション~南からの風~
  九州における発電プラント関連製造業の動向
  自動車関連部品産業アンケートからみた世界同時不況の影響
◎ワンポイント解説   
  縮小が続く土地取引
 

内容

九州における発電プラント関連製造業の動向

 日本における発電プラント関連製造業の現状をみると、同じ輸出型産業である自動車や半導体と比べ世界同時不況の影響は比較的軽微であり、足元の受注状況 は底堅く推移しているほか、輸出も堅調である。この背景には、受注型産業であることやリードタイムが長いこと、中国、インド、中東を中心に世界の電力需要 が増加していることがある。今後、世界の電力需要が増加する中、CO2排出を抑制するために、原子力発電所や、石炭・天然ガス発電の高効率化などの需要が 見込まれる。九州における発電プラント関連企業には、発電用蒸気タービンや風力発電機を生産する三菱重工業(株)長崎造船所、火力発電の熱効率改善に必要 なタービンの大型化、高温・高圧化に対応可能な一体成型タービンロータシャフトを生産する日本鋳鍛鋼(株)北九州工場、原子力発電用バルブのトップメー カーである岡野バルブ製造(株)などがある。これらの企業・事業所は世界トップクラスのシェアや技術を持っており、それぞれの事業所を核に関連産業の発展 が期待できる。

自動車関連部品産業アンケートからみた世界同時不況の影響

 九経調が九州・山口地域で事業を展開する自動車部品関連の事業所を対象に実施したアンケート結果によると、自動車各社の大幅減産の影響を受けて回答事業 所の2008年度の売上高・出荷額計は前年比14.2%減と、大きく減少した。また、2009年4月時点の従業者数は、前年同月比17.7%の減少とな り、雇用の面でも大きな影響が出ている。雇用形態別にみると、非正規社員が大きく減少しており、全従業者に占める比率は2008年4月の36.1%から 09年4月には21.4%まで低下している。中でも製造派遣労働者は前年同月比75.2%減、期間雇用社員は同24.4%減となっており、これらの雇用形 態を中心に雇用調整が行われたことを示している。

ワンポイント解説  縮小が続く土地取引

 九州8県における土地売買による所有権移転個数は2007年半ばより減少傾向が続いており、住宅や事業所の建設に先立つ土地取引は減退している。土地売 買による所有権移転個数と、九経調が作成している景気動向指数の先行指数(先行CI)および非居住用建築物着工床面積の間には強い相関関係がみられること から、土地売買による所有権移転個数は景気に先行して動いていると考えられる。土地売買による所有権移転個数は足元では悪化ペースが強まっており、同指標 が景気に先行すると仮定すると、景気回復の目途はまだたっていないと考えられる。

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