2008年9月号

2008年9月号

A4版・58頁

非売品

2008年9月号

◎論文・レポート
  九州経済の見通し(改訂) 0.6%成長へ下方修正
  2008年度九州地域設備投資動向
◎シリーズ 九州の大規模工場  住友化学株式会社大分工場
◎ワンポイント解説  賃上率、4年ぶりに前年を下回る
 

内容

九州経済の見通し(改訂)~0.6%成長へ下方修正

 2008年度の九州の実質経済成長率はプラス0.6%と見込み、前回予測のプラス1.6%から1.0ポイント下方修正した。前年度のプラス1.4%と比 べ、成長率は0.8ポイント縮小すると見込む。項目別にみると、民間最終消費支出(個人消費)は0.2%増、民間企業設備投資は1.1%減、民間住宅投資 は1.8%減、公的資本形成(公共投資)は2.7%減、純移輸出は3.7%増と見込んだ。
 輸出は世界経済の景況悪化から伸び悩むものの、高い水準は維持する。個人消費は消費マインドの悪化から全国の伸びを下回る。住宅投資は本格的なストック調整局面へ移行していると判断し、前年度をさらに下回ると見込む。

2008年度九州地域設備投資動向

 2008年度の設備投資計画は前年度比1.7%減となり、伸びは一服する。内容をみると、製造業は8.2%減で6年ぶりの減少、非製造業は5.6%増で 2年連続の増加となっている。製造業の減少は、前年度に半導体や自動車関連で大型投資が行われたことの反動によるところが大きいが、投資水準自体は 2008年度も依然として高い。非製造業は、牽引役となる運輸、電力のほか多くの業種で増加し、全体として持ち直しの動きが継続する。

九州の大規模工場 住友化学株式会社大分工場

 大分市に立地する住友化学大分工場は農薬や肥料、飼料添加物等の農業化学を発祥事業とする同社の中核工場としてファインケミカル事業を支えており、殺虫 剤、除草剤等の農業化学品とクレゾール関連製品および精密化学品を製造している。同工場が住友化学における農業化学事業の中核工場へ発展する契機となった のは、戦後に開始した農薬の本格製造であり、特に1961年に製造を開始したスミチオンは現在でも農薬の代名詞ともいえるほどのヒット商品となっている。 農業化学品事業のグローバル化と競争力強化を進める同社において、大分工場は主力工場としての役割を一段と高めている。

ワンポイント解説 賃上率、4年ぶりに前年を下回る

 2008年の九州8県における春季賃上妥結状況は、賃上額が3,427円、賃上率が1.43%となり、賃上率が4年ぶりに前年を下回った。原油や原材料 価格の上昇が企業業績を圧迫しており、経営者が賃上げに慎重になったためと考えられる。賃上率を県別にみると熊本県と沖縄県が1.57%でトップとなって いる。業種別では金融保険(2.03%)、卸・小売(1.65%)、医療・福祉(1.55%)などで高い。一方、運輸業は0.93%で最も低くなってお り、燃料費高騰による収益悪化が賃上げを抑制していると考えられる。

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