2008年8月号

2008年8月号

A4版・60頁

非売品

2008年8月号

◎論文・レポート
  九州の景気 ~弱含みで推移
◎シリーズ 源流を辿る 鰹節
◎シリーズ 九州の大規模工場  味の素株式会社九州事業所
◎ワンポイント解説  中山間地域、漁業地域で急増する九州・山口の外国人
 

内容

九州の景気 ~弱含みで推移

 2008年4~6月期における九州地域景気総合指数の一致指数は、前期から2.9ポイント低下し104.5(2005年=100)となった。月次では 11カ月連続で下落している。主要項目をみると、生産関連は、輸送用機械等の生産が低下し、僅かながらマイナスとなった。輸出は、世界経済の減速から、前 期比プラスを維持するも伸び率が鈍化している。投資関連は、民間設備投資の一服に加え、住宅投資も前年割れが続き、弱含んでいる。個人消費は、乗用車販売 こそプラスとなったが、大型小売店販売額は減少が続いている。雇用は、完全失業率が前期から悪化するなど、悪い材料もみられる。九州の景気は、世界経済の 減速感が強まるなか、総じて弱含みで推移している。

シリーズ 源流を辿る 鰹節

 鹿児島産鰹節は、1999年に長崎税関枕崎出張所が開設され、外国カツオ運搬船による水揚げが可能となったことで価格競争力が高まり、シェアを伸ばして いる。鹿児島県における2006年の鰹節生産量は、全国の7割に達している。代表的産地である枕崎市では、水揚げされたカツオの約8割を短期間で大量生産 が可能な「荒節」に加工し、大手削り節メーカー等に納めている。近年、ツナ缶向けカツオ需要の増大による魚価高騰や海外産の増加等により、価格が安い枕崎 産鰹節は打撃を受けている。また、かつては枕崎産鰹節の価格競争力の源泉であった労働力も不足しており、外国人研修生の受入等で対応している状況である。

九州の大規模工場 味の素株式会社九州事業所

 味の素(株)九州事業所は、世界最大規模のアミノ酸発酵工場であり、フェニルアラニン(シュガーレス甘味料などの原料)やアルギニン(スポーツ栄養食品 などの原料)などのアミノ酸を製造し、味の素ブランド商品だけでなく、他社商品の原料としても使われている。同事業所は2001年、国内生産拠点の集約か ら閉鎖の危機にあったが、生産体制を大幅に効率化し、同時に生産技術開発に力を入れることで、危機を乗り越えた。現在は、生産革新に成功したモデル工場と して、その手法が全世界の味の素グループ工場に導入されている。

ワンポイント解説 中山間地域、漁業地域で急増する九州・山口の外国人

 九州・山口の外国人居住者は増加傾向にある。2000~05年の外国人増加率を市町村別にみると、小規模市町村で外国人が急増する傾向にあり、その背景 には外国人研修生の増加がある。小規模自治体の企業は、域内の労働力不足から積極的に外国人研修生を受け入れており、受入業種も繊維工業、水産加工、農業 等、裾野が広がっている。

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