2007年2月号
A4版・66頁
2007年2月号の要約
◎論文・レポート
九州の中小造船業の現状と課題
九州の景気~足取りの重い回復
◎成長する個人ビジネス
フィットネスクラブ
◎ワンポイント解説
都心から都心周辺にシフトする福岡市のマンション建設
内容
1.九州の中小造船業の現状と課題
九州の造船業界は1990年代後半の不況期を経て、現在の活況を呈している。そのなかで、中小造船業は高齢化が激しい内航船のリプレース需要というニッチ 分野に特化した戦略を図る企業や、逆に低付加価値船を1つのドックで4隻の船舶を1度に建造することで生産性を高め低コストの大量生産を志向する企業もみ られる。今回の好況は大手のみならず中小も潤しているが、造船業が持続的な発展をしていくためには、人材確保をクリアしつつ、韓国・中国メーカーとの競争 を乗り越えていく必要がある。そのためには、付加価値の高いエンジンやクランクシャフト、電子部品などの基幹部品に特化する方策や、他業種と比べ海外展開 が少ない当業種においても、低付加価値船は国外で生産するなど、戦略を明確化し、業界全体に『選択と集中』を図っていくことが必要であろう。
2.九州の景気~足取りの重い回復
2006年10~12月期における九州地域景気総合指数(CI)の一致指数は120.4(2000年=100)で、前期比1.6ポイント上昇した。生産 活動、民間企業設備投資、住宅投資は高水準を維持しているほか、雇用情勢も依然回復が続いている。しかし個人消費は低調に推移しつづけており、回復の足取 りは重い。
3.成長する個人ビジネス フィットネスクラブ
フィットネスクラブの市場がここ数年急拡大している。全国の2005年における新設クラブ数は前年比約2倍(120件)、06年は同約4倍(491件)ま で増加した。このようなクラブ数増大の背景には、初期投資が少なくて済むサーキットジムの普及や、一般的なジムでもローコスト運営が可能な施設設計により 出店余地が拡大したことがある。将来的にも、介護蘭h対策や医療保険者に対するメタボリック・シンドローム対策等の保健指導の義務化、若い女性向けのダイ エットプログラムの人気など、「高齢化」「健康志向」「手軽さ」をキーワードにさらに市場が拡大する可能性を秘めている。
4.ワンポイント解説 都心から都心周辺にシフトする福岡市のマンション建設
福岡市「標識設置報告書」によれば、2006年に届出られた福岡市内の共同住宅(マンション)は前年比13.2%増加した。地域別に増加が目立ったのは、 都心地区を取り囲む都心周辺で、前年比23.5%増となった。とりわけ中央区でも西方面へのシフトが顕著で、都心の地価上昇により都心から都心周辺へマン ション建設がシフトしている状況にある。また、事務所(オフィスビルなど)についても前年比63.6%増加した。届出が目立つ地区は天神南から薬院駅周辺 であった。