2006年6月号
A4版・60頁
2006年6月の要約
◎論文・レポート
プラントメンテナンス産業の現状と新たな展開
道州制で地方はどう変わるのか
◎明日の九州・山口を担うベンチャー企業
九州ナノテック光学(株)
◎ワンポイント解説
厳しさ続く市街地型商業集積地区
内容
1.プラントメンテナンス産業の現状と新たな課題
製造業の設備メンテナンスを行うプラントメンテナンス産業の九州7県における市場規模は3,198億円と推計される。特に北九州市はプラントメンテナンス 産業発祥の地として多くの企業を輩出しており、市内の製造業従業者数の約13%を占めている。これまで化学や鉄鋼など大規模プラントが必要な、装置産業と 呼ばれる業種が主たる需要先であったが、最近ではあらゆる産業でメンテナンス業務のアウトソーシングのニーズが拡大している。
2.『九経調創立60周年講演会』 道州制で地方はどう変わるのか
道州制についての議論は戦前から行われており、当時は中央政府による統制の確立や都道府県の整理といった視点から道州制が唱えられていた。そして、 1980年代後半から地方分権へのシステム転換を意識した道州制の論理が登場し、28次地方制度調査会において、道州制が主要な論点となるまでに至った。 道州制を導入することにより、地方分権の確実かつ加速的な推進、自立的圏域の形成、政治行政の効率化の3点を同時に達成することが期待される。
3.明日の九州・山口を担うベンチャー企業 九州ナノテック光学(株)
大分市の九州ナノテック光学は、プラスチック基板を使用した液晶フィルムシートの開発・製造を行うベンチャー企業である。同社の開発した機能性液晶フィル ムシートは、5ボルト以下の低電圧で駆動でき、透明性や内部構造の再現性にも優れており、様々な用途での利用が期待されている。営業活動はほとんど行って いないものの、プラスチック基板の液晶フィルムシートを開発した会社として関心が高まり、大手メーカーとの商談が進んでいるほか、海外からも商談の引き合 いがあり注目を浴びている。
4.ワンポイント解説 厳しさ続く市街地型商業集積地区
九州における2004年の商業集積地区の販売額は5兆1,966億円で、2002年比1.8%減となり、減少率は大幅に縮小しているものの依然として減少 が続いている。市街地型商業集積地区の減少が目立つが、一方で、ロードサイド型商業集積地区は引き続き大幅プラスとなり、その他の商業集積地区でもわずか ながらプラスに転じた。中心市街地型商業集積地区をみると、元気のある地区は中枢・中核都市レベルの都市が多数を占めており、とりわけ福岡都市圏の地区が 目立っている。