2004年 フードアイランド九州

2004年 フードアイランド九州

A4版・157頁・2004年02月発行

定価
¥3,300(税込)
賛助会員価格
¥2,500(税込)

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目  次
総 論 フードアイランド九州
 はじめに  
第Ⅰ章 戦略産業としてのフードビジネスの可能性
二極化する大企業と中小企業の景況感
九州経済を支える3大産業の特徴
構造改革を迫られる九州のフードビジネス
フードビジネスからフードアイランドへ
第Ⅱ章 フードアイランド九州の形成に向けて 
高度化戦略
需要開拓戦略
他業種参入戦略
観光・集客・余暇産業との一体化戦略
おわりに  
第1章 成熟社会で変化する「食」へのニーズ
はじめに   
外部化する食料消費 
高まる健康・安全意識と消費行動の実際
九州産食材へのニーズ
おわりに   
第2章 高付加価値化のカギを握る「食」の現場 
はじめに  
競争激化する九州の小売、外食産業
多様化する消費者ニーズへの対応
九州産食材の活用に向けて
食の魅力を生かした新たな展開
対応迫られる食品リサイクル 
おわりに  
第3章 生消連携し高付加価値化図る「食」の流通
はじめに  
再編進む九州の食品流通業
高付加価値戦略を展開する流通業 
新たな食品流通チャネルと食品流通業の新展開
おわりに   
第4章 企業戦略の多様化進む「食」の加工 
はじめに   
構造変化する九州の食品製造業 
多様化する原料調達戦略
差別化図る製品、市場戦略
広がる食品製造業の機能
食品関係の技術開発
おわりに   
第5章 高度化進む「食」の生産現場
はじめに  
国際競争下における生産現場の対応 
生産現場への介入始めるアグリビジネス

   おわりに 

 

 

概  要  
総 論   
  温暖な気候と自然資源に恵まれた九州は、古くから日本の「食料供給基地」であることを誇ってきたが、食品の国内最終消費市場が停滞する一方、高 齢化や後継者不足、耕作放棄地の増加などで食材を提供する産地の体力も衰えている。また、食料の自給率低下(2002年度=40%)に歯止めをかけること も喫緊の課題となっている。産地復権に向けた取り組みが、産地は勿論のこと、農林水産省をはじめ各県、各市町村、JA等関連業界団体で懸命に推進されてい るものの、生産現場関係者の努力だけでは活力に満ちた「食料供給基地」の再生には限界がある。
 このような「産地の弱体化」と「食料の自給率低下」に加えて、近年は、産地偽装表示やBSE(牛海綿状脳症)、鳥インフルエンザによって「食の 安全」が脅かされるようになった。また、2004年に本格化するFTA(自由貿易協定)政府間交渉は、産地に構造改革を迫ることとなろう。
 アジア市場が牽引する外需と大企業製造業主導の設備投資によって緩やかな改善を続ける九州経済であるが、「九州の底力=食料供給基地」も食品製 造業や食品流通業、外食産業と一体となって、産業振興に向けた諸施策を戦略的に展開するべき時を迎えている。「食」関連ビジネスが厚みを増すことは、自立 した九州経済の再生にもつながるのである。
 そこで今回の白書では、「食」関連ビジネスが、競争しながらも協力することによってイノベーションを引き起こし、産業構造の転換をもたらしていくような産業集積=「フードアイランド九州」を形成するための戦略について検討した。
 第I章では、フードビジネスおよびフードビジネスを構成する中小企業が置かれている状況を分析し、成熟社会での安心・安全志向の高まりやグロー バル社会、ハイモビリティ・ハイコミュニケーション社会、循環型社会といったメガトレンドと、フードビジネスとの関連性について検討した。また、多様化す る消費者ニーズに対応するフードビジネスのポテンシャルと課題を分析した。
 第II章では、食品の流通・加工・産地から成る食関連ビジネスが、「フードアイランド九州」を形成するための戦略を、「高度化」「需要開拓」「他業種参入」および「観光・集客・余暇産業との一体化」といった4つの視点で検討した。
 
各 論   
  各論では、「食」関連市場に需要サイド(消費者=第1章)と供給サイド(フードビジネス)の両面からアプローチした。さらに供給サイドについては、川下(小売、外食産業=第2章)から卸売業(第3章)、製造業(第4章)そして川上(産地=第5章)に至る各業界を分析した。 
   
第1章  成熟社会で変化する「食」へのニーズ
  高度経済成長期以降、食料消費は、「あるものを食べる」から「食べたいものを選ぶ」というスタイルへと変化した。ライフスタイルの多様化に伴い、食は「栄 養摂取」という目的を離れ、「価格」「品質」「手軽さ」等、様々な観点から評価されるようになった。近年では、デフレ等の影響から消費者が低価格志向を強 める一方、一連の食品偽装表示問題をうけて食の安心・安全志向が高まり、若干高くても安全な食品を購入するという食料消費の二極化現象も生じている。 
第2章  高付加価値化のカギを握る「食」の現場
  消費者と直接向かい合う関係にある小売業、外食産業といった「食」の現場における動向を整理した。 九州の小売、外食産業を取り巻く環境変化について整理 を行い、複雑化・多様化する消費者ニーズに各企業がどのように対応しているか検証した。さらに、小売業や外食産業の生産現場との連携についてまとめ、九州 産食材を生かすための取組を整理した。そして、外食産業を中心に「食」が持つ魅力を生かした新たな市場開拓の動きをまとめた。 
第3章  生消連携し高付加価値化図る「食」の流通
  九州の食品流通業の置かれた状況を概観し、効率化・広域化の進展状況を明らかにした。また、特に重要な戦略となる高付加価値化やブランド化に取組んでいる 食品卸売業者や地域の具体的事例を紐解き、何が九州の食ビジネス拡大に向けて重要であるのかを整理した。さらに、通信販売や産直、有機農産物に関するビジ ネス展開の状況を整理し、九州の食ビジネス拡大に向けた動向を探った。
第4章 企業戦略の多様化進む「食」の加工 
  九州の食品製造業を取り巻く環境や、他の製造業と比べた場合の特異性、九州内での立地分布状況などについて整理し、食品メーカーと農業の関係の変化や、多 様化する原料調達戦略について事例を交えて分析を行った。さらに、高付加価値化を目指す中小食品メーカーの製品・市場戦略についてまとめ、多様化する食品 製造業の機能制品製造機械産業の動向を探った。
第5章 高度化進む「食」の生産現場
  グローバル化の波や産地間競争の激化等によって、食料供給基地=九州も大きく変貌を遂げようとしている。第1次産業とて、高度化戦略を推進しなくては生き 残れない時代を迎えている。セーフガード該当品目となったシイタケやネギ、あるいは円高とともに輸入量が急増した鶏肉および豚肉といった産地の事例を通し て、九州の「食」の生産現場がどのように対応しようとしているのか分析した。
                        

 

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