8/19、緊急レポート「令和8年熊本地震による観光人流の変化(2026年8月上旬)」を発表しました

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 本稿では、九州経済調査協会が運営するデジタル観光統計プラットフォーム「おでかけウォッチャー(https://odekake-watcher.info/)」にて掲載する(株)ブログウォッチャー(東京都千代田区)の観光人流データ「デジタル観光統計(国内版)」を用いて、2026年7月28日に発生した令和8年熊本地震の直後(2026年8月1~7日)における熊本県・九州各県における日本人の来訪者数および宿泊者数の変化を分析します。

 分析に用いる「デジタル観光統計(国内版)」は、スマートフォンのGPS位置情報に基づく観光人流データです。ブログウォッチャーは、同社の連携先である140以上のアプリから個別に利用許諾並びに第三者提供許諾が取れている全国の月間3,000万人の行動ログデータを保有しています。これを予め設定した市区町村内の観光地点と照らし合わせ、GPS位置情報(5~15分間隔で取得)が任意の観光地点範囲内で連続して2回以上プロットされ、かつスマートフォンユーザーの推定居住地から20km以上離れた人数(通勤、通学を除く)を観光来訪者数として計上しています。

  データソースの都合上、分析対象となる人流データは日本人のみであり、訪日外国人は集計に含みません。また、人流データからは来訪目的の判別が困難なことから、被災地からの避難、および救護活動、報道、被災者支援、復旧工事などの人流も含まれます。なお本稿では、地震による被害が大きく、観光人流がほぼ消滅したと考えられる八代市、宇城市などは分析の対象外とし(熊本県全体の集計には含まれる)、主に被災地周辺への影響に着目しています。

【サマリー】

  • 地震後(8/1~7)の熊本県の来訪者数は67.2万人で対前年増減率▲23.0%。
  • 市町村別では熊本市が▲22.6%。土休日(8/1~2)は▲44.4%と大幅な減少がみられたが、平日の8/3~7に限れば▲12.5%と回復。ただし、観光スポットの来訪は低調であり、復旧・支援や業務目的など、通常の観光目的とは異なる滞在需要が都市滞在を下支えした可能性がある。人吉市では▲57.1%、上天草市では▲50.6%と減少率が高い。
  • 地震後の熊本県の宿泊者数は12.4万人で▲11.2%。うち熊本市は+2.9%、水俣市は+8.0%と増加も、阿蘇市▲44.2%、南小国町▲49.9%、天草市▲50.4%、上天草市▲45.6%と県内主要観光エリアで大幅に減少。また熊本市も土休日は前年を下回る。発地別では、福岡、南関東、近畿など中~遠距離の減少の影響が大きい。
  • 熊本県以外でも、鹿児島県や長崎県では地震前後の比較で来訪者、宿泊者がともに大きく減少。特に鹿児島市では新幹線不通の影響で来訪者数▲28.0%、宿泊▲21.3%と大幅減。雲仙・島原エリアでも同程度の大きな減少がみられ、広域にわたる影響が確認できた。
  • 観光復興に向けては、2024年の能登地震を参考にすると、新幹線や高速道路などの広域的な移動制約の解消、キャンペーンや情報発信などによる旅行不安緩和や需要喚起が鍵となる。特に福岡県など近隣からの早期の観光需要回復が重要であり、次段階として、大需要地である南関東、近畿まで喚起策を拡大する必要がある。

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