12/24、九州地域(九州・沖縄・山口)における半導体関連設備投資による 経済波及効果の更新を発表いたしました
プレスリリース
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2024年12月24日
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公益財団法人九州経済調査協会 九州・沖縄地銀連携協定Q-BASS
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九州地域(九州・沖縄・山口)における半導体関連設備投資による経済波及効果の更新について 〜Q-BASSとの連携で地場企業の取組を反映〜
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公益財団法人九州経済調査協会(福岡市中央区、理事長:縄田 真澄、以下「九経調」)は、「新生シリコンアイランド九州」の実現に向けた九州・沖縄地銀連携協定(幹事行:株式会社福岡銀行(福岡市中央区:取締役頭取:五島 久)、株式会社肥後銀行(熊本市中央区:取締役頭取:笠原 慶久)、株式会社西日本シティ銀行(福岡市博多区:取締役頭取:村上 英之)、以下「Q-BASS」)と連携して九州地域(九州・沖縄・山口)における半導体関連設備投資による経済波及効果の推計値を更新いたしました。 九経調では、2023年12月25日に同種の推計値を発表しております。今回の更新にあたって、推計対象期間(2021年~2030年)や推計方法(九経調で開発した九州地域間産業連関表を活用)等に変更はありませんが、その後の投資情報を加えたことに加えて、Q-BASSとの連携により、地域金融機関が有する投資関連情報を集約したことが本推計の特徴となります。 なお、今回の更新の詳報は『九州経済調査月報2025年2月号』に掲載予定です。
■推計の特徴 ・九州地域(九州・沖縄・山口)全体での経済波及効果を把握。 ・半導体産業関連のみならず、幅広い産業への経済波及効果を把握。 ・九州地域の各県それぞれの経済波及効果の規模を把握。 ・Q-BASSと連携して地場企業の投資状況をつぶさに把握。 ・地場企業の活動に伴う経済波及効果を把握。
■推計の前提条件 ・推計期間:2021年~2030年 ・推計対象:期間内に九州地域内で実施・計画された半導体関連設備投資案件のうち、設備投資総額が1億円を上回るもの。なお、ASEについては、投資額が不明のため対象外とした。 ※金額は各社プレスリリース、報道資料等から推計。 ・推計方法:九経調で開発した九州地域間産業連関表(2015年表)を利用。 ※推計手法の詳細は、河村奏瑛、岡野秀之「九州における半導体関連設備投資による経済波及効果の推計~九州地域間産業連関表を用いた分析」『九州経済調査月報2024年1月号』九州経済調査協会をご参照ください。
■推計結果 1)分析対象とした設備投資の案件数(図表1) ・201件の設備投資案件を対象として分析しました。 ・前回推計の72件から新たに129件を分析対象に算入しました。総数のうち、地場企業(大手企業の関連会社を除く)による投資は110件でした。 ・設備投資総数201件のうち、電子デバイスが31件、製造装置が75件、材料・部資材が41件、物流施設が42件、その他(メンテナンス、リサイクル関連等)が12件でした。 ・地場企業による投資110件に限ると、電子デバイスが7件、製造装置が39件、材料・部資材が26件、物流施設整備が33件、その他(メンテナンス、リサイクル関連等)が5件でした。金額ベースで9割以上の投資がJASM第一工場の進出が発表された2022年以降に計画、実施され、製造装置、物流施設の占める割合が大きいです。JASM進出等、近年の半導体関連の大型投資に伴うサプライチェーンの拡大に誘発され、地場企業においても設備投資が盛んに実施されていることが示唆されました。 ・外資の進出について、台湾企業およびその関連会社の進出に伴う設備投資が9件みられ、主に製造装置、メンテナンスの事業者でした。 ・投資総額が50億円以上の大型投資は37件であり、うち3件(平田機工(株)、(株)くまさんメディクス、吉川工業(株))は地場企業による投資でした。
2)九州地域に生じる経済波及効果(図表2) ・設備投資総数201件の総額は6.2兆円であり、投資およびそれに伴う生産活動により九州地域内に23.0兆円の経済波及効果が見込まれます。これは前回の推計から2.9兆円の上方修正です。 ・地場企業による投資110件の総額は1,194億円であり、投資およびそれに伴う生産活動により九州地域内に1.3兆円の経済波及効果が見込まれます。
3)産業別の経済波及効果(図表3) ・半導体サプライチェーンの化学製品、窯業・土石製品、非鉄金属、一般機械、電気機械のうちオレンジ色の部分の合計額)への経済波及効果は11.1兆円でした。 ・その他の産業にもサービス業、建設業、商業を中心に11.9兆円の経済波及効果が推計され、幅広い産業に生産活動の誘発が見込まれます。
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