2008年5月号
A4版・64頁
2008年5月号
◎論文・レポート
九州の景気 ~強まる景気の減速感
九州地域景気総合指数(九州CI)の改訂について
◎シリーズ 源流を辿る
コンクリート
◎ワンポイント解説
都市計画法改正で一段落ついた大型集客施設の出店
内容
九州の景気 ~強まる景気の減速感
2005年1~3月期における九州地域景気総合指数(CI)の一致指数は129.5と、前期より4.2ポイント下がり、4期、9カ月連続での低下となっ た。主要項目をみると、生産関連は、鉱工業生産指数が電子部品・デバイスの生産が調整局面に入っていることから、前期比2.1%減少した。投資関連では、 非居住用建築着工床面積が前年同期比18.6%減、新設住宅着工戸数が同17.9%減、公共投資も同11.3%減となっている。個人消費関連は、大型小売 店販売額が前年同期比1.3%減と、3期連続の減少となっている。ガソリン価格の高騰や食料品の値上げによる物価上昇が続いており、消費者マインドの低下 が懸念される。2008年1~3月期のCIの先行指数も下降が続いており、九州の景気は総じて減速感が強まっている。
九州地域景気総合指数(九州CI)の改訂について
日本におけるミネラル・ウォーターの国内生産量はこの20年で21倍となり、輸入もまた増加を続けている。飲料水を買う習慣がなかった日本でも、ミネラ ル・ウォーターを飲む習慣が定着しつつある。ミネラル・ウォーター類の生産量の県別シェアでは、山梨が4割を占めているが、九州の存在感も増している。水 資源の豊かな九州には多くの小規模メーカーが存在し、加えてローカルなスーパーマーケットチェーンも多いことから、進出してきた大規模小売店との間でミネ ラル・ウォーター類の低価格競争が生じている。今後は、低価格競争を免れるためにも、自社製品の機能性を的確に把握し、ブランド力を高めていくことが重要 である。
ワンポイント解説 改正都市計画法で一段落ついた大型集客施設の出店
2007年度の大規模小売店(1千平方メートル超)の新設届出状況をみると、九州7県は123件と06年度より3件の減少となり、店舗面積も12.3% 減少している。この背景には、改正都市計画法の完全施行を前に、ここ数年続いていた床面積1万平方メートルを超える大型集客施設の駆込出店が一段落したこ とがある。一方、ドラッグストアなど2千平方メートル程度の店舗は増加しており、07年度の届出件数の約半数を占めるまでになっている。