5/11、2021年4月の有効求人件数を発表しました

 九経調DATASALADでは、景気、産業、社会に関する政府統計に加え、APIやスクレイピングによって日々収集したインターネット上のビッグデータを、地域の景気や産業の動向を分析する指標として加工、可視化しています。
 本稿では、ハローワークインターネットサービスに掲載されている求人件数を集計した「就業地別有効求人件数」を活用し、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く2021年4月の雇用動向を分析しています。なお本統計の特徴は、厚生労働省公表の統計より1カ月ほど早く傾向をつかめる即時性、また求人を出した企業の所在地ではなく、実際の求人がある就業地別の値を捉えている点にあります。
 

全国の有効求人件数:2021年4月は全国で前年比+3.8%の増加、21ヶ月ぶりのプラス

 2021年4月における全国の有効求人件数は1,081,218件となりました。前月比は▲2.6%と4カ月ぶりにマイナスになったものの、前年比は+3.8%となり、マイナスに転じた2019年8月以来、21ヶ月ぶりにプラスへ転じました。

 前月比がマイナスとなったのは、コロナ要因ではなく、季節要因が主因とみられます。表1に有効求人件数の前月比推移と、厚生労働省「職業安定業務統計」の有効求人数(原数値)のコロナ禍前における前月比平均(期間:2010~19年)を示していますが、4~5月は例年、求人数が反転減する月であり、過去の平均と比較すると2021年4月の減少幅は大きくありません。

 前年比がプラスとなった要因は、2020年4月の第1波による緊急事態宣言の影響により、有効求人件数は前年比▲24.4%と大幅に下落したため、そこからの反動増によるものです。第1波以前の水準には遠く及ばないものの、前年同月の水準を上回ったことから雇用は緩やかな回復基調にあると判断しています。

 前年比が前年の水準を上回っていることから、全国的には感染拡大によるまん延防止措置・緊急事態宣言の影響は4月までのところ限定的であると推測できます。ただし、後述する通り当該措置の対象地域では一定程度の影響がみられます。

 
*ハローワークインターネットサービスより就業地別求人情報の掲載件数を毎日取得し、「就業地別有効求人件数」として掲載しています。月次値については、各月における有効求人件数の最大値としています。なお、取得する求人区分は「一般求人」「新卒・既卒求人」で、またハローワークインターネットサービスの仕様変更によりデータが取得できなかった2020 年1 月については、厚生労働省「職業安定業務統計」の有効求人数を用いて補間しました。

 

主な内容はこちら

 

スマートフォンの方はこちらをご覧ください。(※PDFビューワーが必要です)

DATASALAD(データサラダ)についてはこちらをご覧ください。

 

蔵書検索

キーワード検索では、書名、内容、特集記事、著者、出版社、関連ワード、などのキーワードをお書きください。

70周年記念事業

地域政策デザインスクール

BIZCOLI

datasalad

九州地域ソーシャルビジネス・コンソーシアム事務局

〒810-0004 福岡市中央区渡辺通2丁目1番82号電気ビル共創館5F
TEL : 092-721-4900

アクセスマップ