2/4、2021年1月の有効求人件数を発表しました

 九経調DATASALADでは、景気、産業、社会に関する政府統計に加え、APIやスクレイピングによって日々収集したインターネット上のビッグデータを、地域の景気や産業の動向を分析する指標として加工、可視化しています。
 本稿では、ハローワークインターネットサービスに掲載されている求人件数を集計した「就業地別有効求人件数」を活用し、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く2021年1月の雇用動向を分析しています。なお本統計の特徴は、厚生労働省公表の統計より1カ月ほど早く傾向をつかめる即時性、また求人を出した企業の所在地ではなく、実際の求人がある就業地別の値を捉えている点にあります。
 

全国の有効求人件数:2021年1月は全国で前月比+0.8%の増加、2カ月ぶりプラス

 2021年1月における全国の有効求人件数は1,086,238件となりました。前月比は+0.8%と、2020年11月以来、2カ月ぶりにプラスとなりました(図1)。

 有効求人件数は新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年3月から5月にかけて大幅な減少が続きました。その後も、6月は微減となしましたが、7月から11月までは経済活動の本格化に伴って求人件数が回復しました。12月は季節要因でマイナスに転じたものの、景気回復基調の継続から、2021年1月は前月比が再びプラスに転じました。ただし、そのプラス幅は僅かとなっており、Go Toキャンペーン一時停止や緊急事態宣言の再発出を含む新型コロナ第3波の影響により、低い水準での足踏みが続いている状況にあります。

 なお前年比は▲16.3%となり、12月の▲20.5%から+4.2%pt上昇しました。前年(2020年1月)にハローワークの求人票記載項目が拡充され、一時的に求人票提出を見送る動きがみられたことから、この反動が今月の大幅な上昇の要因とみられ、回復の動きとは異なります。

 
*ハローワークインターネットサービスより就業地別求人情報の掲載件数を毎日取得し、「就業地別有効求人件数」として掲載しています。月次値については、各月における有効求人件数の最大値としています。なお、取得する求人区分は「一般求人」「新卒・既卒求人」で、またハローワークインターネットサービスの仕様変更によりデータが取得できなかった2020 年1 月については、厚生労働省「職業安定業務統計」の有効求人数を用いて補間しました。
随1 有効求人件数の推移(全国)

資料)九経調DATASALAD

 

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