7/9、都道府県CI・予測CI(景気動向指数・7月予測)を発表しました

 九経調では、2020年4月から全国の地域ブロック別、都道府県別の景気動向指数(都道府県CI)(*1) を作成し公表しています。加えて、政府統計等が公表されていない足元までの期間について、インターネット上の日次データや機械学習の手法を用いて、都道府県CIの3カ月先を予測した景気動向指数の予測値(予測CI)(*2) をDATASALADにて公表しています。本稿では、2024年6月末日までの統計、インターネット上のビッグデータを用いて推計した2024年7月の予測CIを解説します。

2024年7月の九州7県の予測CI:消費・生産分野が低下しマイナス

 2024年6月における九州7県の予測CI(*3)は前月比▲2.0%の112.1となり、6カ月ぶりのマイナスとなりました(図1)。都道府県CIは、新型コロナウイルス感染者の減少等に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の解除により2021年10月にプラスに反転しましたが、2022年9月以降は伸びが緩やかになりました。2024年7月は、消費、生産、雇用3分野の先行系列が全てマイナスとなりましたが、とくに消費・生産分野のマイナス寄与が大きくなりました。消費分野は、消費マインドを示す指標が4月以降低下し、物価上昇の影響等が反映されています。

 全国は前月比▲1.5%の109.9となり、2カ月ぶりのマイナスとなりました。九州7県と同様に消費分野の先行系列の弱い動きが反映されました。なお、2024年1月に発生した令和6年能登半島地震の影響から、北陸地域は2024年1月に大きくマイナスとなりました。最新の予測値では、2月はプラス、3月はマイナスとなりましたが、4月以降は回復傾向となっています。復興活動は継続しており、生産活動への影響も引き続きみられますが、旅行需要の喚起施策による効果や消費マインドの改善がみられます。

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(*1)景気動向指数(CI)は、生産、雇用など様々な経済活動での重要かつ景気に敏感に反応する指標の動きを統合することによって、景気の現状把握を行うための総合指数である。九経調が公表している都道府県CIは、内閣府が公表するCIの作成方法を踏襲し、さらに都道府県・地域で共通する指標を用いつつ、景気変動を反映する主要分野の動向を網羅している。このことにより、的確に地域の景気動向を把握することができ、さらに、都道府県間、地域間での比較が可能である。
 詳細は下記レポートを参照されたい。
 ・松嶋慶祐、三井栄「CI手法の応用による九州地域の景気分析と景気予測の可能性」、九州経済調査月報2019年11月号

(*2)予測CIは、機械学習を用いた線形回帰モデルを用いて、都道府県CIを予測したものである。経済指標のほか、気象データ(気温や降水量)など、景気の動向に影響を与えると想定されるデータを説明変数として投入し、機械学習によってモデルを作成している。予測CIは全国、地域ブロック、九州地域(九州、沖縄県、山口県)の県別値のみ推計している。
 詳細は下記レポートを参照されたい。
 ・松嶋慶祐「日次データと機械学習の活用による景気予測」、九州経済調査月報2020年1月号

(*3)2023年4月の都道府県CI、同年7月の予測CIより系列を改訂した指数としています。
改訂内容の詳細は下記レポートをご参照ください。
・松嶋慶祐、三井栄「新型コロナウイルス感染拡大による都道府県別経済影響度分析」、
 九州経済調査月報2023年6月号

 

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