休眠預金等活用制度に基づく助成事業

ソーシャルビジネス循環モデル地域形成事業

 

実行団体審査結果

 

審査委員長講評

審査委員長
福田 知 株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ 代表取締役社長
 
 今回、本事業に55団体からの応募をいただいた。審査委員会において審査基準に基づき、書類および面接による厳正な審査を行った結果、5団体への助成を決定した。5団体それぞれの選定理由は別記のとおりである。
 社会課題解決のための素晴らしい提案を数多くいただいたが、今回の審査にあたっては、ソーシャルビジネスとして、特に事業の持続可能性や収益性、事業がもたらす社会的インパクトに力点を置いて審査を行った。
 本事業終了後の出口戦略を考える時、ベンチャーの場合はIPOやM&Aなどが考えられるが、ソーシャルビジネスの場合は社会課題を継続して解決していくための事業の持続可能性、収益性の設計が鍵となる。採択された5団体はじめ公募をいただいた団体には、そうした観点からさらに事業計画を磨き上げていただきたい。
 一方で、ソーシャルビジネスが成長し、単独で収益化し、自走するまでには時間がかかるケースも多い。そうした意味で、ソ―シャルビジネスの成長と自走を社会全体として支援していく動きが必要だと改めて感じている。資金分配団体には、その仕組みづくりのために実行団体に伴走支援していただき、地域と共にソーシャルビジネスが成長し、自走できる仕組みに取り組んでいただきたい。
 

【審査委員】

福田 知  株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ 代表取締役社長
石丸 修平 福岡地域戦略推進協議会 事務局長
田中 里沙 学校法人先端教育機構事業構想大学院大学 学長・教授
中村 寛樹 東京大学社会科学研究所 准教授
星野 裕志 九州大学大学院経済学研究院 教授


内定団体 団体50音順

 

【有限会社トラスト】

  • 事業概要
    地域の課題解決を目的にした「スモール起業」と暮らし方の「シェアリングモデル」を掛け合わせた『コ・ワーケンション事業(仕事場と住まいを一体化したシェアハウス:コレクティブハウス)』で、人口減少やライフデザインの変化が生み出す「孤立化」や「貧困」の問題と「空き家問題」を同時に解決するとともに、社会起業家を継続的に支援する仕組みを創出する。
  • 助成額【2,590万円】/評価関連経費【128万8,000円】
    ※概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
  • 採択理由
    従来事業の経験と実績から、空き家解消、社会的弱者の見守り、入居者の雇用創出と起業支援という新しいソーシャルビジネスのモデルを創出しており、社会的インパクトも期待できる。

 

【株式会社ボーダレス・ジャパン】

  • 事業概要
    ボーダレス・ジャパンが運営する社会起業家養成所「ボーダレスアカデミー」で社会起業のノウハウを学び、自身が関心を持つ社会問題解決に資する事業計画策定を経て、ボーダレス・ジャパンによる審査に通過した社会起業家に対して、起業家コミュニティの提供と創業資金の無利子融資を行う会員制の仕組み「ボーダレスソーシャルバンク(仮称)」を構築し、社会起業家の育成と創出を図る。
  • 助成額【4,000万円】/評価関連経費【200万円】
    ※概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
  • 採択理由
    地域におけるソーシャルビジネスの新規創出に実績がある。創業期の人的支援や資金不足の課題についても把握し、有効な対応を盛り込んでおり、新規起業の誘発と成果が期待できる。

 

【本城商店株式会社】

  • 事業概要
    各病院がバラバラに行っている医療機器等の資産処理について、その有効活用と循環型配慮社会実現に向けて資産処理運用の 標準化 を行い、情報共有システムで 『見える化』することで、資産の残存価値の還元により適正な処理管理を実現する。九州地域の医療機器リユース市場10億円とリサイクル価値5億5千万円相当の価値還元を目指す。
  • 助成額【2,540万円】/評価関連経費【126万7,200円】
    ※概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
  • 採択理由
    医療機器のリバースイノベーションという各省庁に跨り遅れていた分野に、民間主導によりモデルケースを創出しようとする試みであり、事業が進捗すれば社会的インパクトの創出が期待できる。

 

【株式会社よしもとラフ&ピース】

  • 事業概要
    沖縄県41 市町村におけるソーシャルビジネスの起業支援・普及啓発を目的としたインキュベーション事業。那覇市に開設するインキュベーションセンターを拠点に、県内41 市町村でソーシャルビジネスの講習ワークショップ「出張インキュベーション(起業支援)」を実施。同時に、 2021 年12 月開局予定のBS 放送局「よしもとBS チャンネル」と連動し、支援対象ビジネスを同局にて番組化することで、事業を展開するモデルを生み出す。
  • 助成額【5,360万円】/評価関連経費【255万円】
    ※概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
  • 採択理由
    沖縄の課題分析は明確であり、各市町村への出張インキュベーションは当該団体が沖縄地域で構築してきたネットワークにより多様なステークホルダーを巻き込み、事業の波及効果が期待できる。

 

【WorkStep株式会社】

  • 事業概要
    潜在就業女性を産業に「つなぐ」タレント発掘プロジェクト。「地域から」「オンラインで」潜在就業女性を産業につなげる、広域圏構想。顔の見えるリアルな拠点型支援と、オンラインによる県境を越えたバックアップをハイブリッド。
    1.潜在層を掘起す:リアル支援
    ① 地域パートナー「キャリアコンシェルジュ」の伴走
    ② テレワークセンターでのOJT 機会「Reskill オフィス」
    2.産業につなぐ:オンライン支援
    ③ 再就職実現への学び場「スクール」
    ④ 企業とフラットに出会う「ママドラフト会議」
    ⑤ 希望の働き方を実現するマッチング(職業紹介)
    ⑥ キャリアアップを目指すクラブ活動「Work Step 俱楽部」 を実施。
  • 助成額【2,810万円】/評価関連経費【140万5,000円】
    ※概算根拠:実行団体より提出いただいた事業計画書・資金計画書に基づき算定しています。
  • 採択理由
    女性のキャリア再開発・就労支援に関する課題設定、アプローチともに明確で、事業成果および社会的インパクトが期待できる。社会的インパクト評価の活用まで見据えている点も評価したい。

 


<参考資料:公募決定までのスケジュール>

 

2020年  
 12月14日 実行団体への公募開始
 12月17日、24日 Zoomにて公募説明会
2021年  
 1月29日 事前相談の受付締切(事前相談期間:12/14~1/29)
 2月5日 実行団体の公募締切(応募総数55団体
 2月17日 一次審査
 2月24日 二次審査 審査委員会
 3月3日 九経調理事会にて承認
 3月11日 審査委員会による最終確認(5団体に選定
 3月16日 公表

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