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  • ★ 「旅する長崎学」シリーズ(2009/12/27)

    「旅する長崎学」シリーズ

    長崎県(企画)

    長崎文献社

    金子原二郎(2009/12/27 掲載)

    本書は、長崎県の特色ある歴史を背景に、自然や文化、食といった独自性あふれる魅力が満載のガイドブックです。これまで「キリシタン文化(全6巻)」「近代化ものがたり(全4巻)」「海の道(全5巻予定)」をテーマに発刊しておりますが、ここに描かれる長崎の歴史をとおして“世界の中の日本”が見えてきます。外交、貿易、戦い、技術や思想の流入、これに伴う人々の往来など、日本の対外交流史は長崎の地を外して語ることはできません。

    18才といえば、二十歳の成人を前にして、社会における自分の将来を思い描き、進学や就職など夢に向かっての第一歩を踏み出すとき。自分の人生を真剣に考えるこの時期に、日本人として、これからの世界に通用するしっかりとしたアイデンティティーを確立するため、21世紀を担う若い皆さんには、是非ともふるさとの歴史や文化に興味・関心を持ってほしいと思います。

    現在、私は長崎県知事の重責を担わせてもらっていますが、その源になっている力は、やはり故郷である長崎県への誇りです。ふるさとの歴史を刻んできた先人たちの努力と情熱に思いを馳せると、今を生きる私たちが未来をしっかり築いていかなければと気が引き締まるのです。身近にある文化遺産は、今日に受け継がれてきたふるさとの歩みや先人たちの志を物語ってくれます。これらは、わが国の歴史や文化を正しく理解するために欠くことのできない貴重なもので、私たちがめざしていくべき未来への道標ともなります。また、文化遺産そのものが、よそにはない魅力として活かすことのできる地域のたからでもあります。私は、「長崎県の素晴らしさを県民の皆さんに再発見してほしい」「県外の方々にもその奥深さを伝え、ファンになっていただきたい」という気持ちで「ながさき歴史発見・発信プロジェクト」を立ち上げ、そこから本書『旅する長崎学』が生まれました。

    日本の転換期において、その舞台となった本県の歴史はもちろんオススメですが、それぞれのふるさとの歴史・文化を若いときにもっと知って、自身の成長の糧としながら未来につないでいっていただきたい。そんな願いを込めて、若い皆さんの夢を応援し、今後の活躍に期待したいと思います。

    プロフィール

    金子原二郎

    長崎県知事