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新版 たすきがけの湯布院 / 虫庭の宿
中谷健太郎 / 溝口薫平
ふきのとう書房 / 西日本新聞社
小倉義人(2009/12/27 掲載)
全国の温泉地のホテル、旅館の経営者達や行政マンが視察に訪れている湯布院、その湯布院を今日の姿に造り上げてきたリーダーふたりのそれぞれの著書が最近発行されました。
中谷健太郎さんの著書は23年振りに新版として出版されました。
溝口薫平さんの著書は、西日本新聞社の聞き書きシリーズで本年(平成21年)1月まで連載され好評を博した文章をまとめたものであります。
「町づくり」や「地域おこし」は全国の全ての地方での永遠の課題です。
湯布院という小さな盆地が、ダム湖の底に沈ますに、或は、大資本に乱開発されることを防ぎ、やさしい風が流れ、蛍が舞う保養型温泉地を守り、かつ、創りあげたのは、そこに住む人々の「愛」と「夢」があり行動があったからだと断言できます。
書籍の中で「そこを訪れる人々にとって佳い町」と「そこに住む人々にとって佳い町」をどうやってバランスをとるのか、両立が可能なのか、議論が熱くなされています。
「温泉地」とか「観光の町」という面からのみでなく、行政の心意気とか情報発信とかの面でも大変勉強させられる書籍です。
ふるさとを何とかして活性化しようとする若い人達の「バイブル」になるだろうという評価もされています。
是非2冊ともお読み下さい。